「産業構造分析」(産業連関表の作成)の必要性
例えば高梁市の基幹産業と言われている農業。まず、基幹産業としての地域への波及効果がどのくらいのものかがおおよそ分かり、タネや苗、肥料といったもの(中間投入材)がどこから入ってきているのか、農業関連資材はどこからきているのかといったことがわかります(お金の域外への漏出)。
農業を地域の産業として育成するのであれば、地域内から仕入れをすることが、地域内の経済好循環になり、また、できた作物を域外へ移出することで外貨が稼げます。域内を流れるお金の量は増加し、そのお金が誰かの所得(法人、個人)になり、それが消費や貯蓄に回るようになります。また域内への再投資の機会もふえます。地域内の好循環がさらに好循環を生み、高梁市の景気の下支え、活性化につながっていきます。このようなお金の流れが産業連関表を作ることによってわかってきます。いかにこのような好循環のモデルを構築することができるかが高梁市の将来にかかっているのです。
また、6次産業化を強力に進めたいのなら、域外へお金がもれないようにしないと持続的なものにはなりません。限られた資源、資金をどこに投資したら良いのか、どのような企業(研究施設)、技術を誘致、導入し、それらを基盤産業に育てていったらよいのかがわかってきます。
また、今ある企業、その関連により、域外から域内にどのくらいのお金が入ってきているのかがわかります。当然、その企業がなくなれば地域内へのお金は止まります。その金額、影響を掴んでおくことが大事です。吉備国際大学など大きな影響がありそうなところは特にです。最低4年間は滞在(消費=お金を落としてくれる)してくれる観光客と考えることができるからです。
身近な例としては、津山市の作陽音大があります。後から後悔しないようにするためには、リーダーがどれだけ危機感を持っているのかが鍵に。高梁市のしっかりとした将来の戦略を立てるには、このような数値(定量)的根拠とした構造分析は必要不可欠なのです。
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